クールな同期が私だけに見せる顔



省吾的には、私と付き合うのはいいけど、結婚なんてごめんだと思ってるんだろう。

同僚として付き合いが長いからわかる。

会社に入ってすぐの頃、彼は周りに結婚願望がない、そう言い続けていた。

入社して会社の女の子に、あれだけ付きまとわれたらそう言うのも仕方ないけど。

『俺、結婚したいなんてやつの気が知れない』

繰り返される言葉を聞いて、この人とは考え方が違う。

省吾のこと、遠くで見ていようと思った。

正直、省吾は完璧だった。
困った時助けてくれるし、一緒にいても楽しい。
同期でよく飲みにも行った。

でも、楽しいだけでそれ以上近づけるきっかけもなかった。

その頃、付き合おうって言ってくれた人がいた。
彼は尊敬できる人で、断る理由が見つからなかった。

省吾にも一応相談したけど、『いいんじゃない』って言ってたし。
迷ってたけど、省吾が背中を押してくれて、俊介と付き合うことになった。

俊介との交際は、順調に続いた。

彼の異動がなければ、あのまま一緒に暮らしてたかも知れない。

でも、それは間違っていたのかも知れない。

彼のプロポーズを、受けられなかったのは、遠い場所に行くことになった
からではない。

省吾のそばから離れたくなかったからだ。

彼の気持ちを確かめるべきか?

それは、聞くまでもない、
確かめるべきに決まってる。


ハッキリさせてみようか?

やっぱり、省吾はあの頃と同じだろうか?

人生を共にする相手を必要としていないのかな。

でも、気持ちが変わってるってことない?

付き合う前にもそう聞いたけど、変わってないって答えてた。

聞くだけ無駄かな……

ああ、もやもやする。本音を聞くのも怖い。

でも……
このままではいられない。

咲良の言う通りだ。

このまま、ずるずると何もしないと
時間だけが過ぎてしまう。
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