クールな同期が私だけに見せる顔
こうなってしまっては、どうしようもない。

省吾を説得して、なんとかしようというレベルではない。

どうにかしろって言うレベルじゃないよね?

これまでいろいろ考えたもの。

どう考えても、私の方が後釜で、付き合い始めたきっかけもいい加減だし。

たまたま、始まっちゃっただけだ。


今日の著しく不機嫌な、省吾の顔を見て私も観念した。



グラスに残ったビールを飲み干すと、私は省吾の目をまっすぐ見た。

「もう、いいや。ごちそうさま。今日は、この辺でやめとくね」

「具合悪いのか?」

「ん、まあそんなとこ。省吾どうする?ここでまだ飲んでる?」


彼は、首を振って、冗談だろうっていうみたいな仕草をする。


「なに言ってんの?その前にお前、俺に何かいうことあるだろう?」

確かに穏やかな話では済まされない。

この店にして正解だった。

「別に、話すことなんてないよ」


「逃げるなよ。話は終わってないだろう?」

タイミング悪く、彼が凄んた時に私は立ち上がってしまった。


彼は、伝票を手に持つと、私の行く手を邪魔するみたいに立ち上がった。


「ちょっと待てって。ここ出よう」と苛立だった声で私に言った。
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