クールな同期が私だけに見せる顔



「晴夏ちゃん?そう怒るなって。起こってしまったもん、後悔しても仕方ないだろう」

省吾は全然、私に対して悪いとは思ってない。

いたずらが、成功した子供のように笑ってる。

「仕方ないですって?よくそうやって割り切れるわね?」

「俺と寝たこと後悔してるのか?」
彼は、完全に面白がっていう。

「酔ってたから。私、全然覚えてない。
覚えてないのに、どうやって後悔するのよ?」

これには、彼もたまらず反論する。

「おい、俺が、酔って意識のない女に酷いことしたみたいに言うな。
俺だって、自分からこんなことしたわけじゃない。
むしろ、ダメだって。こんな事は良くないって。お前のこと止めたんだぞ」

「ちょっと、止めたって何よ。また、覚えてないって勝手な事言い出すの?」

「勝手な事って、何だよ。
だから……酔って、襲い掛かって来たのお前の方だって言ってんの。
抵抗したのは、お前じゃない。俺の方だ」

最後のところを強く強調する。


「襲いかかったですって?」
私は、目を丸くした。

いくら何でも、それは言いすぎでしょう?

「何で、あんたなんかに、私が襲い掛かるのよ」

「さあな。そうされるのは、俺的には、別に珍しいことじゃないもんで」

「省吾、ふざけないで」
もう、付き合いきれない。

省吾は、ため息をつきながら私と向き合った。

「いいか、俊介さんって言いながら、勘違いして俺にまとわりついてきたのは、お前だ」

「嘘、私そんなことしない」
俊介さんと間違えた?

そう言ったの?私。

「嘘ついてどうする」

「そんなこと言われても、信じられない」

「信じられなくっても、起こったことは変えられない。無かったことにはしない。
一応、後でなんかあったら、困るだろう?」

省吾は、下に視線を向けた。


「省吾、お願いだから後ろ向いてて」

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