クールな同期が私だけに見せる顔

「何か言えよ。外に出て、話し合いたかったんじゃ、なかったのか?」

洗いたてのふわっとした髪の彼が、私の視線の方を見て言う。

こっちを向いていた彼と目が合う。
本当に整った顔。

女もののシャンプーに、女もののカミソリ。

そんなもので身なりを整えたのに、いつもと変わらなくちゃんとして見えるのは、嫌みにしか受け取れない。

本当に、朝から爽やかなやつ。
こんなこと、慣れてるんだろう。
だったら、このままうやむやに。
出来ればなかったことにしたいけど。

逃げ出したいよ。考えたくない。
話しだって、したくない。
省吾と寝ただなんて。
信じられない。
そんなこと受け入れたくない。

嫌だな。
話したくないのに、彼と話さなきゃいけない。
ハッキリしなきゃ。
避けて通れないのかな。

省吾は、落ち着いている。
いつもの調子で。
起こったことは、どうしょうもない、そんな感じだ。

その時のこと、ほとんど覚えてない方がよかったのか。

どっちなのか、私には判断できない。


そういうの、彼には、どうでもいいことだろうか?

まさか、わざとキスマークつけて証拠を残したとか?
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