クールな同期が私だけに見せる顔

朝が来て、目が覚めた晴夏は元の晴夏に戻っていた。

昨日のこと誤魔化そうとするから、そのたびに証拠を突き付けて否定してやる。

昨日、散々君を抱いたのは、中谷さんじゃなくて俺だって納得させてやる。



話し合いができないからって、晴夏に部屋から追い出され、なぜだかファミレスに連れて来られた。

晴夏は神妙な顔して、俺のこと睨みつけている。

俺は、晴夏の服の下の、昨日つけた印のある辺りを見つめてる。

「まあ、そうカリカリするなって。たかが寝ちまったくらいで」

「たかがって言わないで。私はあなたとは違う」


「そうかい」

「あのさ、省吾。やっぱり、考えてることって前と同じ?」

晴夏がまっすぐこっちを見てる。

晴夏の言いたいことは分かる。

しかし、俺は、なんて答えていいのか言葉に詰まって、窓の外の庭木を見てる。

お前、俺の気持ち確かめる前に、誰に抱かれてると思って許したんだよ。

なんて正面向かって問い詰める勇気がない。

「何とか、言いなさいよ」

「まあ、悪かったって。昨日のことは謝るよ」

「ねえ、省吾?今までずっと言ってきたこと覚えてる?」

「ああ、自分で言ってきたことくらい覚えてるさ」

「省吾……」

「わかったって、言えばいいんだろ?前と変わってないよ。
俺と付き合えとか、結婚しようっていうつもりなら、そういうの俺には無理だ」

気持ちが揺れてるなんて曖昧なこと言うくらいなら、晴夏の言う通りにしてた方がいい。
< 206 / 220 >

この作品をシェア

pagetop