クールな同期が私だけに見せる顔
「こいつに、気安く触るな!」
俺、何怒鳴ってるんだ。
子供みたいじゃないか。
二人とも、あきれてる。
「ちょっと待て、感情的になるな。なにも、無理矢理連れて行くことないだろう?」
恥ずかしいことに、中谷さんに落ち着くように言われる。
「中谷さん、近付いても無駄です。無理してでも、俺はこいつから手を離さない。
それに、あんなキスじゃ、こいつ反応しないですよ」
「お前、なに言ってるんだ」
「何なら、ここで、やって見せましょうか?」
「やめろ。冗談じゃない」
「晴夏、来い」
晴夏をタクシーに乗せて家まで連れて来た。
勢いに任せて晴夏を連れて来たけれど、この後、どうやって納得させたらいいのか全然糸口が見つからない。
「ここまで来て、私に言わせるつもり?
あなたが付き合ってるのは、私だけじゃない。別の女性がいる。
あなたのそばにいるのは、私だけじゃないでしょ?」
「はああ?」
いったい、なんの話だ?
「はあって、何よ」
「お前、なに言ってんだ?」
言ってることがまるで理解できない。
「私、見たのよ。この部屋に別の人が入って行くの」
「なんだ、それ」
本当にびっくりしてまぬけな顔をした。
「なんだそれって、しらばっくれる気?
省吾、言い訳出来ないわよ。あなたが部屋に女の人を連れ込むのを、この目で見たのは、私なんだから」