クールな同期が私だけに見せる顔

「こいつに、気安く触るな!」



俺、何怒鳴ってるんだ。


子供みたいじゃないか。

二人とも、あきれてる。


「ちょっと待て、感情的になるな。なにも、無理矢理連れて行くことないだろう?」
恥ずかしいことに、中谷さんに落ち着くように言われる。


「中谷さん、近付いても無駄です。無理してでも、俺はこいつから手を離さない。
それに、あんなキスじゃ、こいつ反応しないですよ」


「お前、なに言ってるんだ」

「何なら、ここで、やって見せましょうか?」

「やめろ。冗談じゃない」

「晴夏、来い」


晴夏をタクシーに乗せて家まで連れて来た。


勢いに任せて晴夏を連れて来たけれど、この後、どうやって納得させたらいいのか全然糸口が見つからない。


「ここまで来て、私に言わせるつもり?
あなたが付き合ってるのは、私だけじゃない。別の女性がいる。
あなたのそばにいるのは、私だけじゃないでしょ?」

「はああ?」

いったい、なんの話だ?

「はあって、何よ」

「お前、なに言ってんだ?」

言ってることがまるで理解できない。


「私、見たのよ。この部屋に別の人が入って行くの」

「なんだ、それ」

本当にびっくりしてまぬけな顔をした。

「なんだそれって、しらばっくれる気?
省吾、言い訳出来ないわよ。あなたが部屋に女の人を連れ込むのを、この目で見たのは、私なんだから」
< 218 / 220 >

この作品をシェア

pagetop