クールな同期が私だけに見せる顔


ファミレスに省吾を残して、私は一人で部屋に戻った。

部屋に戻る帰り道、感情が抑えられなくなって、涙がこみ上げて来た。


何やってんだか。

今頃になって、取り戻してきた感覚に蓋をしようとしてる。

湧いてくる感情なんて無視しよう。

蓋をしようとすればううるほど、後から後から感情が湧いてくる。

あんな奴、いなくなってしまえばいい。

触れられたところ、彼の甘い声に触発された感覚。
あらゆる感情が、あふれるようにこみあげてくる。

部屋にたどり着いて、ドアを閉めた。

途端に感情が自然に出てくる。
ぐっとこらえてようとした思いが、堰を切ったように溢れて来る。

もう少し一緒にいたら、彼のこと全身で受け入れてた。

この人ならいいなって思ってた。

それなのに、一夜明けたら。

相手にしたらダメな人だった。

省吾は、深い付き合いを望まない相手なんだから。

あっさり女の子に、もう会わないって言えるやつなんだから。


だから近づかない。
今までそうしてたのに。

なんで昨日だけ、警戒するの忘れてたんだろう。

本当は、俊介なんかじゃないって分かってた。


優しい言葉

して欲しいことを察してくれる、思いやりのある行為

彼は、一緒にいたら心地いい。

こんな人が、そばにいてくれればいいと思ったのに。

やっと、好きになれる人が現れたと思ったのに。

この人なら、一緒にいたいと思ったのに。



その相手が省吾だったなんて。



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