クールな同期が私だけに見せる顔


省吾は、『ずっと同じ人と一緒にいるなんて無理だ』って言う。

恋人にしてなんて言われると、急に怖気づいておよび腰になるのだ。

相手が前のめりになると、省吾の方が冷静になって熱が冷めてしまう。



女の子の方は、どんどんのめり込んでくるのに、彼の方が逃げ腰になってしまう。

困り果てた彼女の方が、

『どうしたらいい、晴夏?』だなんて意見を聞きに来る。


一度からの気持ちが離れていったら、省吾は元に戻ることはない。

手のひらを返したように、急に距離を置こうとする。

急に突き放される女の子の方も、いきなりで驚いてしまう。

『私、なんかしたのかも……
沢井君のこと怒らせたみたい』

可哀想に。
困惑してどうしたらいいっかって、目を腫らして会社に来る。

だいたいの子は、省吾の気持ちの変化に付いていけない。

親しく接するのは、好きな人と距離を詰めたいと思うから。
相手も同じ気持ちだと思うだろう。普通。

でも、省吾はそうではない。

必要以上に、近づかれるのを拒むのだ。
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