クールな同期が私だけに見せる顔
「全然って……あの。気になる女の子とか、クラスに一人もいなかったの?」
「かわいいなって子は居たけどな。俺が自分で好きだって自覚する前に、相手の子の方から、付き合ってくださいって言われちゃうから。結局どうだったのかわからない」
「相手を好きになってる暇なんてないってこと」
「うん、まあね」聞いた私がバカだった。
いっそのこと、そのまま黙ってて下さい。
でも、ちょっと待って。
「でも、なんで私なの?多分、私あんたの好みと、かけ離れてる自覚があるよ。それに、あんたの事、好きだなんてひとことも言ってないし」
「そうだよな。うん。俺も意外だったんだ。まさか、晴夏にこんな感情抱くなんて。頭どうかしたのかと思ったよ」
「頭ががどうかしてるまで言う?」
「だって、本当なんだ。ずっと認めたくないって思ってたんだな。でも、認めちゃえば、案外いいのかもって思った」
「認めたくないのに認めた?何それ、最近のこと?いつから」
「はっきりしたのは、初めて晴夏と寝た日……」
私はあっけにとられた。
なんでた?なんでよ‼
「省吾の言ってること、全然わかんない。好きでもなかったのに、一晩共に過ごしたら愛情が湧いてきたなんて。そんなのあり得ない」
「いいよ。わかんなくても。俺が分かってるし」
そんなんじゃ、全然わかんないじゃん。
何がいいんだ?そう聞きたいのを、ぐっと我慢する。
なんか、私のこと丸め込もうとしてるの?
何か考えがあるの?
だいたいおかしい。
何年も前から知りあいなのに、なぜこのタイミングで好きだなんて言うのよ。
だいたい、あんたって私に好きだっていう素振り見せなかったじゃないの。
それを、急に好きになりましたって。
絶対変だ。
なんかある。多分、それを聞いたら彼のペースだ。
「分かった。説明なんていらないから。ようするに、こういうことなんでしょう?
私と付き合おうって思ったのは、体の相性が良かったとか?」
生まれてこのかた、そんなことで誉められたことはないが。
「まあ、きっかけはそうだけど」
「そっか」
そういうことか。