クールな同期が私だけに見せる顔


びっくりするじゃないの。

「気にしてるなら、電話くれればいいのに。すぐに教えてあげるわよ」
私は、照れ隠しに素っ気なく言う。

「結構な頻度なんだけどさ……
俺が、お前んとこに、何回も電話したら、うっとうしいって思うだろう?」

「時と場合によるけど」

「多分、本当のこと言うと、晴夏俺のこと、あきれると思う」

「どうしてあきれるの?」

「俺、晴夏のこと、思わない時間、ほとんどないから。
それに、俺、一人でいるとき……
君のこと思って過ごす時間。それも大切だって思うから」

「ん?」

今、店の人がお待たせしましたと言って、ランチセットを二つ持ってきてくれたところだった。

フォークとナイフを置いた時に、くすっと笑われた。

省吾が私の手を取って、自分の頬に持っていく。

まっすぐ私の顔見て言うから、さすがに恥ずかしい。


彼は、ひるまずに、まだ続ける。



「なあ、今日、遅くなってもお前ん家に行ってもいいか?」

「いいけど。私の家の方が会社から遠いよ?」

「距離は、関係ないよ。晴夏そばにいられれば、それでいい」

「そんな、大げさな」

「大袈裟じゃないよ。本当のことさ」

彼は、ニコッと笑った。
まぎれもなく、彼は、私だけのこと思ってくれてる。

私は、そう思った。
彼の言葉に嘘はない。そう思えた。

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