クールな同期が私だけに見せる顔
美登里さんは、目鼻立ちがはっきりしてるとてもきれいな人だ。

今では30代も後半であるけれども、10歳は若く見える。

というより、真っ黒な髪に染めていて若く見せていた。

彼女は、見た目の印象に気を使っているのだ。


髪を切った時。
香水とか洋服とか、なにかを新しく来た時には必ず
『おかしくないかしら?』と聞いて来た。

どうでもよくないですか?
と言いたくなるのを何とかおさえ込む。

黙っていて、あまりにも反応しない私に、そのくらい言いなさいよと美登里さんは、アピールしてくるのだ。

正直言って、私には美登里さんの髪が5センチ短くなろうが、長くなろうがどうでもいい。


気を使ってるだけあって、十才くらい年下の私と並んでも
『あれ?鈴木さんの方が下だったよね?』
なんて言われようもんなら、小躍りして喜んだりする。

相手が、快く伝票を処理してもらうために、お世辞で言ってるのではないか?
と思わないのか?

多分、思わないんだろうな。



30代後半と言っても、美登里さんは、まだまだきれいだ。

細めの体で、首から肩のラインがすっきりしてる。

見た目は小顔で、クールな雰囲気を身にまとって、いつもきりっとしたシャツやパンツスタイルに身を包んでいる。

本当に見た目は、とても素晴らしい。


ところが、見た目以外の仕事の面では、いろいろ問題を抱えていた。

外見以外は興味がない。したがって仕事には、身が入っているとは言えなかった。

お使いに行って、しばらく帰ってこなくなるのもそうだった。

時々、島村課長のような新しく来た人に指摘されて、しばらくは大人しく働いてる。

けれど、時間が経てば、元の状態に戻ってしまうという困った人だ。

今回も、島村課長が注意して見ている間は真面目にやるんだろうが、油断すると、また気を抜いて元に戻って行く。

5歳の子供ではないから、周りも一度注意したら二度と言わない。

残念ながら、改める間もなくここまで来てしまったみたいだ。
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