フラワーガーデン【アリシア編】
「アリシア、僕だけど……」


返事が無い。


「あー。コホン。あれは、その……ちょっとした勘違いで……」

「来ないで!先生のバカ!!」


アリシアの涙声に胸を痛めながらも、扉を開ける。


「大変って、さっき言ってたよね」


アリシアは涙を拭いながら、ベッドの脇の椅子にちょこんと座っていた。

そして、僕に背を向け、決してこっちを振り返ろうともしない。

「……エリー、熱があるみたい」

「え?!」


急いでエリーの額に手を当てる。


「まずいな。急いで医者を呼ぼう」

「先生は、アマンダと……、その……してればいいわ。私が行ってくるから」

「こんな夜中に、女の子一人じゃ危ないよ」

「平気よ。この格好じゃ、男の子にしか見えないわ」


アリシアは頑固に僕の意見を聞き入れない。


「そういう問題じゃないだろう?僕が行く。君は、アマンダを呼びに行って……」

「先生のバカ!あの部屋には入りたくないわ!」


自分が発した言葉に、アリシアははっとしたようで、「私、何を言ってるの……」と口を手で押さえる。


「アリシア……?」

「やっぱり、私がお医者様を呼びに行ってくるわ」

「だから、無理だって。なんでそんなに頑ななんだ」

「行けるわ!放して!」


僕の手を振り解こうと暴れるアリシアに苦戦する中、腰に巻くシーツがハラリと解けて床に落ち……て……


僕「…………」

アリ「…………」


アリシアは、真っ赤な顔をして右手を大きく振り被ると、僕の左頬を思いっきり張り倒す。


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