フラワーガーデン【アリシア編】
「来るとしても、あいつら、お金ふっかけるもん……。こないだリリィがお腹、痛いって言うから診てもらったら、ただの腹痛って分かったのに200ドルもとられたもん。それに今、お金、ない……」

「僕は今、手元に1,000ドル持ってる。だからそれで……」

「センセー、やさしぃ~……。だけど、医者、キラ~イ」


アマンダは嗚咽した。


アリシアはアマンダの下へと駆け寄り、彼女を抱き締める。


「……そうだ。先生が診たら?」

「え?!」

「そうよ!アマンダ!!実はね。フジエダ先生は、ハーバードの医科のお医者さんの卵なの!!」

「お医者……さん?」

「ちょ、ちょっと待って!!アリシア!僕は臨床医ではないし、それにまだ1年生で知識でしか……」

「お願い。先生」


アリシアのすがるような瞳に躊躇する。


確かに、大学での臨床経験はなかった。


だけど、小さい頃から父の病院に良く出入りし、患者の容態や、その処置をずっと側で診てきていた。


「……分かった。だけど、もし容態が急変したら、君達が何と言おうと必ず医者を呼ぶよ?」


アマンダもアリシアも頷いた。


それから、彼女達は急いで、氷をアイスピックで割ったり、清潔なタオルを用意したりと慌しく走り回った。


僕は、アリシアから容態の変化を聞き、エリーの体を診た上で結論付けた。



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