フラワーガーデン【アリシア編】
それから、どれ位経ったのだろうか。

建物内に反響する足音に、ピクリと反応し、アリシアは顔を上げた。


「ジョー……ジ……」


アリシアは、もう一度、「ジョージ!」と叫ぶと、いとも簡単に僕の腕からスルリと抜け出した。


その足音は階段の手前で止った。


「ジョージ!ジョージ!!」


アリシアはまるで天使の羽が生えたかのように、ふわりと跳び上がり、驚いているジョージの腕の中に還っていった。


ほんの少しの間に、ジョージはかなり大人びて見えた。

それは着ていた士官学校の制服のせいだったのかもしれないし、短く刈り上げた髪型のせいだったかもしれない……。


跳び付くアリシアを抱き締め、感動の再会になるかと思いきや、ジョージは眉根を吊り上げ、腰に手を当てたままだった。


アリシアは、暫くは頑張って彼の首にぶら下っていたが、やがてズルズルと力の抜けた体は落ちていき、彼女はペタンと床に膝をついた。


そして、ジョージは恨めしそうに見上げるアリシアの額を、後ろに隠し持っていた新聞でペンッと打った。




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