フラワーガーデン【アリシア編】
「何、やってるんだよ!お前は!バトラーから電話があったぞ!おじい様や屋敷中の者達が心配しているって!」

「だって、だって、ジョージに会いたくて……」

「だって、じゃないだろ!見ろよ。この新聞!」


ジョージは新聞を開くと、一面に載っているアリシアの顔写真を指差した。


「あっ!これ、パーティーの時のだわ!!ほら、ドレスの方はピッタリだったの!ありがとう、ジョージ!」


彼はこめかみに手を当て、「オーマイ……」と呟くと、新聞を丸め、アリシアの額をペンペンと再び打った。


「とにかく、すぐ帰れよ。周りにこんなに迷惑を掛けてどーするんだよ」

「悪かったと思うわ。だけど……」

「だけど、何だよ」

「会いたくて……」


アリシアの心からの言葉に、初めてジョージの顔が切なそうに歪んだ。

それっきり、ジョージは押し黙り、床に座り込んだアリシアに手を伸ばした。


僕も隠れていた階段の下から顔を出し、アリシアを抱きしめようとしているジョージはその手を止めた。


「フジエダ先生……」


驚いているジョージに、僕は目で挨拶した。



< 241 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop