先生だって遊びたい
真奈美からは寮もあり三食昼寝付きで、以前と違い共学になりイケメンの先生も居ると好条件を聞き喜んで居たのでありますが…
聞いていたものとは随分違っていた様で美鈴の思い描いていた楽しい学園生活?とは全く違っていたのであります。

「まぁとにかくよろしく頼みますよ、さ、く、ら、先生」

美鈴は真奈美に肩を叩かれ項垂れていると朝から聞きたくない声が後ろから聞こえて来てしまったのであります。

「桜先生!」と呼ばれ振り返ると仁王立ちした光浦先生が立って居たのであります。
噂をすればなんとやら…

 (もぅ……朝から会いたくないわぁ……)

「おはようございます…」

 (あーあー光浦先生、怖いお顔をさらに歪めちゃってだからお嫁にいけないんですよ?いまお幾つになられました?さすがにもう無理ですかね? アハハ…)

「あなた無断外泊ですよね!?」

「えっ違いますよ!ちゃんと……」

 (小煩い人が居るのに無断外泊なんて…)

美鈴は右手で頭を掻き考え左手を着ている白衣のポケットに入れると中に入っている用紙に気が付いてしまったのであります。

「あっ…」

「どうしました?」

光浦先生は目を細め誤魔化しは許さないとばかり美鈴を睨むのであります。

「いえ…外泊届けは光浦先生の机に昨日の午前中に置いときましたけど?老眼で見えなかったんじゃないですか?それともボケが始まっちゃいました?」

「なっ私はボケてません!まだ老眼でもありません!朝食すませたら確認しときます!」

そして仁王ではなくて光浦先生は食堂へと入って行ったのであります。

「真奈美、私食事いいや、これ置きに行かなきゃいけないから先に行くわ」

美鈴はポケットに入っていた用紙を左手で顔の前でひらひらさせて見せると、真奈美は驚いた顔をして…

「美鈴!あんた出してなかったの?」

「みたい」

真奈美は右手を額にあて「みたいって…」と呆れているようであります。

美鈴は呆れている真奈美を置いて「じゃ!」と寮を出て外泊届けを置きに職員室へと向かったのであります。
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