先生だって遊びたい
廣喜の実家は美容外科を開業しており、あまり良い噂を聞かない。

 (なんで私こんな男と付き合ってたんだろう?)

「仕事には困ってないし!それに金儲けしか考えていない病院には興味ないから!」と美鈴はその場を離れる。

「ちょっと待て!その馬鹿にした言い方はなんだよ?!」

廣喜は美鈴を追いかけ腕を掴む。

「離してよ!保険の効かない術式ばかり患者に進めてるらしいじゃん!」

「何がいけないんだよ?!医者なんて皆んな金儲けの為にやってるんだよ!」

バッシ!

「ふざけないで!!」

廣喜の左頬を叩いた右手がヒリヒリする。

「何するんだよ!」と廣喜は美鈴を睨んでいる。

「医者が皆んなあんたみたいな金儲け主義者ばかりだなんて言わないでよ!ほとんどの医者が患者の為に寝る間も惜しんで働いてるのよ!あんたみたいに親が開業医だからって適当にインターンやって親の病院継いで金もうけの事しか考えていない人に医者の事を語って欲しくない!」

「女の癖に偉そうに言うな!医者を逃げ出した負け犬に言われたくないね!」

 (負け犬…そぅ…私は負け犬……)
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