猫柳の咲く季節に


家に帰ってからは、こっぴどく父さんに叱られた。


涙をいっぱい出して、何度も謝った。


辛くて、怖くて…


でも結局本当のことは言えなくて、父さんは怒りを通りこして呆れてしまった。


捨てネコのことを話して、受け入れてくれなかったらどうしよう。


そう思ってしまったんだろう。


俺は小心者だったんだ。


ネコのことだって、誰かが飼うだろうって自分で行動を起こさなかったし、今だって、そんなくだらないことのためにこんな騒ぎを起こしたのか、って怒られたくなかったんだから。


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