猫柳の咲く季節に
「大丈夫だよ!見てて」
そう言うと、結ばれた鎖をほどいて、扉を強く蹴った。
ガン、と嫌な音が大きく響く。
すると、キィーと音が鳴り、重い扉がゆっくりと開いた。
「先生には内緒だよ」
人差し指を立てた右手を、唇の前に持って行き、いたずらに笑う彼女はとても可愛らしくて、あの一言なんて今の私には頭になかった。
希美ちゃんに連れられて私は初めて屋上に入った。
そこは、まるで空に放り出されたかのように、青く染まっていた。
ここにいるだけで、なんだか特別な気分になるような、そんな感じ。