何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「俺は梓沙を傷つける様な真似はしねぇよ」



真っ直ぐな言葉に、真剣な声にトクリと心臓は反応する。
遥斗の方を向けばその顔は声同様に真剣なものだった。


何でそんな顔をしているの?
高鳴る鼓動を抑えながら遥斗の顔を見上げる。


そんな私の視線に気が付いた様に遥斗の視線がこっちに向いた。


パチリと視線が交じり合う。


目が合った瞬間、遥斗は顔を緩めた。



「俺が見たいのはコイツの笑顔だからな」



優しい笑みが向けられると同時にゆっくりと手が私に伸ばされる。
頭にポンッと大きな手がのったと思ったら勢いよく撫でまわされた。



「ちょっ……遥斗!」



髪の毛がグシャグシャになるじゃない、そう思い遥斗の手をどかそうとしても出来なかった。
無駄に強い力のせいでちっとも頭から手をどかせられない。


髪の毛が乱れるし、嫌な事ばかりなはずなのに……。
遥斗に触れると凄く温かい気持ちになる。


それに……嬉しい……?



「ははっ!
スゲェ、髪ボサボサだぞ」



普通ならゲラゲラと笑う遥斗に腹が立ってもいいのに……。
不思議と腹が立たなかった。



「もう、直してよ!」

「ったく……仕方ねぇな」

「仕方ないって……遥斗がやったんでしょうが!」

「お前が小さいから悪い」

「意味が分からないし!」



遥斗はからかいながらも私の髪を手で梳いてくれる。
その手つきは優しくて気持ちが良かった。
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