何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「不愉快だ」
「拓哉さん……落ち着いてください」
部屋へと戻るなり、拓哉さんは着ていたジャケットをソファーへと投げつけた。
彼の怒りがぶつけられたジャケットは皺が寄ってクシャクシャになっていた。
それを手に取りながら皺を伸ばす。
「お前は腹が立たないのか?
アイツにあそこまで言われて。言い返してもいいのだぞ」
拓哉さんの言葉にピクリと肩が揺れた。
言い返せる訳がない、その言葉を呑みこみ笑顔を浮かべる。
「大丈夫ですよ。
お義母様は私たちの事を認めてくれました。
それだけで十分です」
「お前は人が好過ぎる」
「そんな事は……」
人が好い、そんな事はない。
私はただ……逃げているだけだ。
お義母様から……いや、自分の想いから。
「私は拓哉さんと一緒にいられればそれでいいです。
だから……それ以外は望みません」
「……可愛い奴だなお前は……」
少し照れた顔の拓哉さんが目の前にいる。
なのに私は他人事のように思えて仕方がなかった。
この人がどんな顔をしようが、今の私の心は動く事はない。
前まではちょっとの事でもドキリと胸が高鳴っていた。
でも、今は拓哉さんに恐怖を覚える事はあっても心地の良い胸の高鳴りを感じることはない。
一体どうしたのだと言うのか。
私の心に起こり始めている変化に気が付きつつも、それを口に出す事はしなかった。
言ってしまったらきっと……。
私は自分を抑えきれなくなる。
心に蓋をしながら、私は笑顔を浮かべ続けた。
「拓哉さん……落ち着いてください」
部屋へと戻るなり、拓哉さんは着ていたジャケットをソファーへと投げつけた。
彼の怒りがぶつけられたジャケットは皺が寄ってクシャクシャになっていた。
それを手に取りながら皺を伸ばす。
「お前は腹が立たないのか?
アイツにあそこまで言われて。言い返してもいいのだぞ」
拓哉さんの言葉にピクリと肩が揺れた。
言い返せる訳がない、その言葉を呑みこみ笑顔を浮かべる。
「大丈夫ですよ。
お義母様は私たちの事を認めてくれました。
それだけで十分です」
「お前は人が好過ぎる」
「そんな事は……」
人が好い、そんな事はない。
私はただ……逃げているだけだ。
お義母様から……いや、自分の想いから。
「私は拓哉さんと一緒にいられればそれでいいです。
だから……それ以外は望みません」
「……可愛い奴だなお前は……」
少し照れた顔の拓哉さんが目の前にいる。
なのに私は他人事のように思えて仕方がなかった。
この人がどんな顔をしようが、今の私の心は動く事はない。
前まではちょっとの事でもドキリと胸が高鳴っていた。
でも、今は拓哉さんに恐怖を覚える事はあっても心地の良い胸の高鳴りを感じることはない。
一体どうしたのだと言うのか。
私の心に起こり始めている変化に気が付きつつも、それを口に出す事はしなかった。
言ってしまったらきっと……。
私は自分を抑えきれなくなる。
心に蓋をしながら、私は笑顔を浮かべ続けた。