何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
食事やお風呂を済ませ私たちはソファーで並びながらお酒を飲んでいた。
私が泣いた理由を無理に聞こうとはせずに普通に接してくれる遥斗に甘え、私も理由を話すことはしなかった。



「ん~美味しい~」

「そんな甘ったるいもんよく飲めるよな」

「だから美味しいんだって!
遥斗こそよくそんな苦そうなもの飲めるよね~」

「日本酒くらい飲めよ」



呆れた様に自分が飲んでいたグラスを私に差し出す遥斗。
もしかして、飲めって事……?
私の予想を裏付ける様に遥斗は私にグラスを持たせた。



「ほら一気な?」

「む……無理だよ!!」



大体私は甘い系のカクテルしか飲めないもん。
そう目で訴えれば遥斗は面白そうに目を細めた。



「まぁお子ちゃまには無理か!」



そう言いながら遥斗は私の手からグラスを取り返そうとする。
でも、それを阻止する様に自分の方へと引き寄せた。



「お子ちゃまじゃないよ!」

「じゃあ飲めるのか?」

「飲めるわよ!」



そう言い放ち私は半ばやけになりながら日本酒を一気に煽った。
口には何とも言えない味が広がり、喉が熱くなっていく。



「んっ……苦いっ……」



ゴホゴホと咳き込んでいれば遥斗はゲラゲラと笑っていた。
『やっぱりお子ちゃまじゃねぇか』と笑いながら私の頭を撫でている。


ムカつくのに触り方が優しいせいか何も言えなくなる。



「ほらお子ちゃまのお前にはこっちがお似合いだ」

「お子ちゃまじゃないけど飲む……」



遥斗は私がさっきまで飲んでいたカクテルを渡してくれる。
“お子ちゃま”という言葉は引っかかったけど一刻も早く口直しがしたかった私はグラスを受け取った。
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