何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「やっぱりこっちの方がいい」

「まぁお前には合ってるさ。
梓沙に日本酒やウイスキーは似合わねぇからな」

「それって……子供って言いたいの?」

「まぁな」



遥斗は日本酒をグラスに注ぎながらニヤリと笑った。
美味しそうに飲む遥斗を横目で見ていれば、私の視線に気が付いたのか遥斗もこっちを向いた。



「……何だよ?」

「別に……私が子供なら遥斗はオジサンだよね」

「はぁ?」

「日本酒とか肉じゃがとか?
食べ物の好みが!」



勝ち誇った様に言えば遥斗はプッと吹きだした。



「俺は36だしオジサンだぜ?
それをそんな笑顔で言われてもな!」

「うっ……」

「それに焼酎と肉じゃがは若い奴でも好きだろ?
お前だって肉じゃが好きだろ?」

「ま……まぁ……そうだけどさ……」



完全に私の負けだった。
そもそも私が遥斗に勝てる日なんか来るのだろうか。
ハァッとタメ息をついて降参の意を込めて両手を上げる。



「もう遥斗には敵わないな……」

「梓沙みたいなお子ちゃまには負けねぇよ」



余裕たっぷりの笑顔を浮かべながら遥斗は日本酒を一気に煽っていた。
その飲みっぷりは見ていて気持ちが良かった。
それに様になってるよね……格好良い……。
こんな事は口が裂けても絶対に本人には言わないけど。
< 199 / 430 >

この作品をシェア

pagetop