何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「嫌だ……離して……!!」



必死に暴れてもビクともしないその体。
怖いという感情が私に襲いかかる。
泣きたい衝動に駆られながらも自我を保とうと頑張る。



「梓沙、暴れるな」

「え……拓哉さん……?」



暗闇に響くその声は間違いなく彼だった。
不審者だと思っていた私は警戒心を緩めながら彼の顔があるであろう方を見上げる。



「ビックリしたじゃないですか」

「……」



私の声は聞こえているはずなのに何の反応もしない拓哉さん。
ただ抱きしめられる力が強くなっていくのが分かる。



「梓沙」

「は……はい」



さっきよりも強い力で抱きしめられる。
その力に恐怖すら感じるくらいに……。



「お前は……俺から離れていくのか……?」

「え……?」



ドキリと鼓動が高鳴った。


私の気持ちを見透かしたようなその言葉に何も言えなくなってしまう。


でも……。
言うなら今しかない。


ちゃんと伝えなきゃ。
私の気持ちを……。



「拓哉さん……すみません……私……」



震える唇を無理やり動かす。
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