何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
でも何でこんな所に……。


辺りを見渡してもチェス盤も他の駒も見当たらない。
この1つだけがあるなんておかしい……。


違和感を放つ駒を手に持てば裏に白いペンで何かが書いてあるのが分かった。



「“強くなって出直してこい!”」



よく分からないけど……。
誰かとの思い出の品だろうか……。


そうじゃなかったら、いつまでもとっておかないよね?



「……」



チェスの駒を元にあった場所に立ててそっと部屋を出た。


きっとあれは……。
私が簡単に触っていいものなんかじゃないと思うから。


お義兄さんが言っていた“アイツ”とあのチェスの駒は関係あるんだ。
お義兄さんの過去に……。


何も出来ない自分の無力さを思い知りながら拓哉さんの部屋へと帰っていく。
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