何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
目の前にいる女性を不審者としてSPの人たちに報告をすれば、混乱に紛れて外に出られるかもしれない。
でも……いくら外に出たいからって、この人を危険な目に合せる訳にはいかない。



「何でもありません!
お騒がせしてすみませんでした」



扉の向こうにいる人たちに声を掛け私は女の人の方に顔を向ける。



「アタシを突き出せば、そのうちに外に出れたんじゃない?
今からでもそうすれば?」



愉快そうに目を細める女の人。
私は首を横に振りながら掴まれている手をほどく。


するりと簡単に手は離された。
この人は私に危害を与えるつもりはないんだ。


そう理解した私はニコリと笑顔を浮かべる。



「貴方を危険な目に合わせてまで外に出たいとは思わないです」

「……本当に変な子。
自分より見ず知らずの人間を優先するなんて……」



クスリと笑うと女の人は真っ直ぐと私に手を差し伸べた。
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