何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「高校時代に親友がいたんです。
ソイツとは野球部でずっと一緒だったんです。
でも……ある事件を境に縁を切ってしまって……。
ひと言でいい……ただ……アイツに謝りたい……」



泣きそうな声で話す片瀬さんを見ていれば私まで切なくなる。
涙を堪えながら、片瀬さんの目を見つめる。



「ある事件……?」

「……はい」



ひとり言のつもりだったが聞こえていたみたいだ。
哀しそうな顔で笑う片瀬さんを見た私は慌てて両手を横に振る。



「あっ……言いたくなかったら言わなくても……」

「いえ、いいんです。
僕の親友は野球部のエースでした。
凄く腕のいいピッチャーで、僕はキャッチャーをやっていました」



懐かしむ様に笑顔を浮かべる片瀬さんだったけど……
直ぐにその顔は哀しみに支配された。



「アイツは2年の冬に肩を壊してたんです。
でも……それを誰にも言おうとしなかった。
そして3年の……最後の甲子園の時、既にボロボロだったアイツの肩は悲鳴を上げた」



悔しそうに拳を握りしめる彼は、今何を思っているのだろうか。


自分を責めているの?
それとも親友を責めているの?


きっと……。
両方なんだろう……。
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