何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「……」



私の声にレイヤは一瞬こっちを見るが興味なさそうに顔を逸らす。


早速、電話しよう。
そう思いスマホを取り出す。


紙を持って移動しようとしたが、ここにはレイヤと私しかいない。
遥斗がいないから、ここで掛けてもいいか。


そう思った私はスマホに電話番号を打ち込む。



「……あっ、お忙しい所すみません。
私、如月 梓沙と……」

『如月さん!?
進藤ですが……』



電話が繋がったと思ったら、なんと進藤さんが出てくれたのだ。
驚きながらも私は用件を話す。



「あのお願いがあるんですが……」



北星大学の九条さんという人を探していると言えば、進藤さんは知り合いの北星大学の教授に聞いてくれるらしい。
嬉しい気持ちと申し訳ない気持ちが交じり合い、何度もお礼と謝罪をすれば逆に感謝をされてしまう。



『何を言っているんですか。
貴方は私と片瀬の恩人なんですから……。
困った時はお互い様です』

「進藤さん……ありがとうございます」



人の温かみを知った私は感謝を籠めて頭を下げる。


1歩ずつだけど……。
確実に九条さんに近づいている気がする。
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