何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「さっさと病院に行くぞ」

「で……でも……」



今さら拓哉さんに会わせる顔がない、そんな事を考えていれば遥斗が私の背中を強く叩く。



「しっかりしろ!!
お前が1度でも好きになった奴だろうが!
ソイツが危険な目に合ってる時に……お前がそんなんでどうするんだ!」



遥斗は私の腕を掴み無理やり立たせると、強い力で引っ張っていく。
私は遥斗に着いていくのに必死で、もつれる足を無理やり動かしながら走った。


頭の中はゴチャゴチャで……。
何も考えられない。
考えたくもない。


拓哉さんにもしものことがあったら……。
そう考えるだけで胸が張り裂けそうになる。



「梓沙!
余計な事は考えるんじゃねぇ!
アイツは大丈夫だ」



走りながらも、私を励ましてくれる遥斗。
繋がれた掌から感じる温かさは遥斗の優しさそのものだった。
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