何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「ビックリしたよ。
2人してお互いの幸せの為に同時に動き出すなんて……。
まぁこっちは仕事が増えて大変だったけどね」



ワザとらしくタメ息をつくカオルさん。
でもその声は優しくて、私や遥斗を想ってくれているんだって事が伝わってくる。
泣いている私の頭を撫でながら慰めてくれるカオルさん。


そんな私たちを見ながらレイヤは低い声で呟いた。



「……お前らは分かっていないんだ」



あまりにも低い声のせいで私とカオルさんは固まってしまう。
いつものレイヤの声じゃなかった。
怒っているという事は分かるが、何に怒っているかは分からない。



「レイヤ……?」



恐る恐る彼を見上げれば怒りの籠った目で睨みつけられる。
普段、無表情なだけ怖さが倍増していた。



「世の中には……好きな奴に想いすら伝えられない奴がいる」

「え……」

「それなのに……。
お互い好きなくせに……お前たちは何をしているんだ!
見ていて腹が立つ……」



そう言うと私に背を向け、会場を出て行ってしまう。



「レイ……」

「梓沙ちゃん」



小さくなるレイヤの後ろ姿を止めようとすれば、カオルさんに腕を掴まれる。
彼は小さく首を横に振る。
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