何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「馬鹿っ……」



あぁ……。
なんて馬鹿なんだろう。
どれだけ優しいのだろうか、あの人は。


1人で泣き続ける私にカオルさんは笑いながら答える。



「本当……馬鹿だと思うよ。
ハルさんも……梓沙ちゃんも……」



カオルさんはそれだけ言うと俯いていた私の顔を上へと向ける。
カオルさんの哀しそうな瞳が私を貫く。



「同じくらい……お互いの事を想っているのに……。
何で離れ離れになろうとする訳……?」

「っ……それは……」



何も答えられないでいればカオルさんは私から顔を逸らす。
そして天井を見上げると懐かしそうに目を細めた。



「確か……同じ時期だったよね」

「え……」

「ハルさんが今回の計画に手を貸してくれって言い出したのは……。
梓沙ちゃんが九条さんの事で僕に協力を求めてきた時とほぼ同じくらいだったんだ」

「うそっ……」



遥斗はそんなに前から……。
この事を計画してくれていたのっ……?


初めて知った事実に胸がキリキリと音を立てる。
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