何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
お帰り
「戻ったぞー。
ってカオル来てたのかよ」

「ハルさん、なんか元気だね?」

「今朝まで面白いくらい暗かったんだがな」



久しぶりに何でも屋の事務所に私は来ていた。
とは言っても、私は中に入らずに外で待機しているんだけど……。


遥斗がビックリさせようぜ、なんて言うから乗っかっちゃったけど……。
不安に思っていれば中からカオルさんの笑い声が聞こえてくる。



「梓沙ちゃんがいなくなってから気持ち悪いくらい沈んでたからね」

「うっせぇよ!!それより紹介したい奴がいる」



その言葉に一気に中は静かになる。
どうしたんだろう、耳を澄ませばいきなり低い声が聞こえてきた。



「女……じゃないだろうな」



レイヤの声だ。
怒っている事が一瞬にしてわかる。



「……一応……女だ」



い……一応!?
まさかの遥斗の言葉に私は怒りが募っていく。



「そんなの許せる訳……」

「ちょっと!!
一応って何よ一応って!!」



我慢の限界がきた私は勢いよく事務所の扉を開けた。

その瞬間、またもや部屋の中は静まり返ってしまう。
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