何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「だったら答えは1つ。
立ち向かえよ」



勢いよくあげた顔。
目に映ったのはニヤリと笑う五十嵐さんだった。


彼の言葉に心が揺らぐ。


私だって立ち向かいたい。
立ち向かいたいけど……。



「やっぱり会社に迷惑を掛ける訳にはいかないよ……」



今と昔じゃ、背負っているモノが違う。


社会人と高校生じゃ責任の重さが違うよ。
私1人の行動のせいで会社に影響が及びかねないもの。



「だったら婚約者の社長さんに頼れよ。
アイツなら……」

「そんな事したら拓哉さんに迷惑が掛かっちゃう!!」



思わず大声を出してしまう。


『ごめんなさい』と謝れば『いや』と気にした様子もなく言う五十嵐さん。


拓哉さんには迷惑を掛けたくない。


それに……。
彼が動けば事が大きくなり、彼のご両親にまで話がいく可能性だってある。


そうなれば……。
また拓哉さんに迷惑を掛けてしまう……。



「……なぁ……お前って本当にアイツが好きなのか?」

「え……?」



いきなりの質問に私は答えられず、ただ大きく目を見開く事しか出来なかった。

そんな私を無視しながら五十嵐さんはさらに追い打ちを掛ける様に口を開いた。
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