何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「お前らは楽をしようとばかり考えているみたいが、コイツは違う。
お前らにどれだけ悪口を叩かれようと挫けずに頑張ってきた。
その理由が分かるか?
仕事で認めて貰いたかったからだ。
お前たち全員に……」



拓哉さんはギリッと歯を食いしばり社員全員の顔を見た。
そして、最後に私に顔を向ける。



「どうして……」



どうして知っているんですか……。


拓哉さんは社長室にいるからこのオフィスでの事は知らないはずなのに。
何で私の気持ちまで知っているの……?


思わず泣きそうになりながら拓哉さんを見上げれば小さなタメ息が聞こえてきた。



「分かるに決まっているだろう。
誰よりも傍にいたのは俺なのだから」

「っ……」



泣きたくない。

そう思っているのに目の奥が熱くなっていく。


それを誤魔化す様に私は笑顔を作る。



「ありがとう……ございます……」

「……礼はいいからお前は取引先へ行け」

「はいっ……!」



拓哉さんに深く頭を下げて私は鞄を掴みオフィスを後にした。
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