何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
まさか拓哉さんがあそこまで気付いているとは思わなかった。


それに……。
普段は無口な彼が私の為に……。


拓哉さんがあんなに喋った所を滅多に見る事がないからか余計に嬉しさが増す。



「幸せ……だけど……。
ココに来たら一気に萎えた……」



取引先の会社を見上げながら大きなタメ息をつく。
さっきまでの幸せが一瞬にして消え去った気分だ。


でも、やるしかない。
待ってろよセクハラ親父……。


物騒なセリフを吐きながら私は会社へと入っていく。




受付の人と簡単なやり取りを終えた私は案内されて社長室へと向かった。





「如月さん、よく来たね」

「貴重なお時間をいただき感謝しております」



頭を下げ終わり、ゆっくりと顔を上げる。

そこで少し違和感を感じた。


いつもなら厭らしい目で私を見る社長が今日は目も合わせようとせずに明後日の方を向いているじゃないか。


どういう事……?
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