男の秘密
「でも、幹事だから・・・」

「二人一緒に行かなくても、別々に探しても良いだろ?」

「それは・・そうですけど。でも、加藤君とは同期ってだけで何も無いですよ」

「優にその気が無くても、向こうにあるかもしれないだろ」

「それは・・・」

「もしかして、もう言われてるの?」

優の戸惑いに何か察したようで、電話先の忍の声が更に低く冷たくなり、優の心も凍っていく。

電話の向こうの忍がため息をついたのが分かり、血の気が引いていく。

何か言わなければと口を開くが、言葉が見つからず沈黙が続く。

『どうしよう。何て言えばいいの?』

「優は俺が止めても同僚と二人で出かけるんだろ」

「それは・・」

「分かった」

「え?」

自分の中では加藤は同僚以外の何者でもない、疚しい事は無いから行くと言いたいが、その返答では忍は納得し無い事は分かる。

『どうしたら』

必死に言葉を探すが、焦って何も浮かばない。

その時、忍の電話の向こうで誰かが忍を呼んでいるのが分かった。

「悪い。休憩が終ったみたいだ」

そう言って、忍は優との会話を終らせた。
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