男の秘密
「どうしよう。怒らせた?」

携帯を握り締めて呆然とした。

そのままグルグルと考えていたら、夜が明けてしまい、思い身体を引きずるように仕事に向かう。

会社に着いても仕事に集中していないと、昨日の電話の事を考えてしまうので、ひたすら仕事に没頭した。

「・・さん。斉藤さん!」

少し大きな声にハッとして顔を上げた。

松永主任が心配そうにこちらを見ている。

「もうお昼だけど、仕事大変なの?」

「え、あぁ集中していて気付きませんでした。」

時計を見ると、12時を回っており、席で昼食を食べる数人を残して席を立っていた。

朝までぼんやりとしていて、弁当が作れなかった優は、食堂に行かなければ食べるものが無い。

だが、食欲は全く無い。

「そう?顔色が悪いみたいだけど大丈夫?」

「はい。寝不足なので」

苦笑しつつ立ち上がる。

弁当が無いのにこの場に留まる訳にもいかないので、休憩コーナーに行く事にした。

フラフラとしながら休憩コーナーへ辿り着き、紙コップのココアを買った。

長椅子に座ってため息をつきながら窓の外を見上げる。

窓の外は曇り空。六月に入り、天気が優れな日が多くなった。

『羽奈に相談してみようかな』

携帯から羽奈にメールを送ると直ぐに返信が来た。

今日の夜相談に乗ってくれると書いてあり、ホッとした。

ココアは口をつけていなかったから、自分の席に持って行って飲もうと立ち上がる。

今週はまだ始まったばかりなのに、こんな事では週末まで持たない。

ため息と共に歩き出した。
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