男の秘密
ゆっくりと眠ったお陰ですっきりと一日が始められた。

昼に加藤から曜日変更について色々言われたが、何とか木曜日で落ち着いた。

押しに弱いと思われがちだが、一度決めたら余程の事が無い限り覆さない性分なので、結局加藤が折れた。

忍には木曜になった事と、時間を知らせた。少しでも安心して貰う為に羽奈と一緒に参加する事も伝えたが、「分かった。気をつけて」という素っ気無い返事だけだった。

会って、きちんと気持ちが伝えたいが、忍のスケジュールが分からないので、それも出来ず、モヤモヤとした気持ちで木曜まで過ごした。

『忍さんにはもう、嫌われてしまったのかしら』

返事の来ない携帯を見つめながらため息をつく。

これから加藤と会うが、羽奈の都合で何時もより遅めの為、暫く時間を潰す事になった。

『待つ時間があると、余計な事を考えてしまって困るわ』

冷めてしまったコーヒーを飲みながら、忍の事を考えてしまう。

「お待たせ。なぁに、この世の終わりのような顔して」

ハッとして声の方を見ると、羽奈が立っていた。

「じゃぁ行きましょうか」

羽奈と連れ立って待ち合わせの場所に行くと、あからさまにガッカリした顔の加藤が居た。

「何で麻生が居るんだ?」

「そこで出会ったの。なぁに、私が居るとお邪魔かしら」

ニヤリと笑いながら加藤にそう言う。
< 107 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop