男の秘密
「別に・・。行くぞ」

不機嫌そうに言い放って、踵を返して歩き出す。

「ちょっと待って。会場のリサーチして来たのよ。」

そう言ってカバンからスマホを取り出し、お勧めの店を表示させる。

秘書課でのお勧めは少し高めの落ち着いた店だったが、他にも女性目線でお勧めの店や、男性目線でのお勧めの店などもあった。

「それで、今日はこの中から2店舗から3店舗回って、決めましょう」

完全に羽奈のペースで進んでいく。

加藤が何か言うが、その都度論破され、結局お勧めの店を2店舗回る事になった。

店に向かって歩いている時、優の携帯が鳴った。

慌てて携帯を取り出すと忍からメールが入っていた。

慌てて返信をして先を歩く羽奈達に追いつく。

二人は優がついてきていない事に気付かないで、盛り上がっていた。





一店舗に1時間程度使って、2店舗回ると9時を越えていた。

羽奈のお陰で加藤と二人きりにならずに済んで、更に会場も決まり、ホッとした気分で店を出た。

解散の挨拶をしようとした時、羽奈の電話が鳴った。

「ごめん。用事が出来たから帰るわね。」

時計を気にしながら、通りでタクシーを拾って去っていった羽奈を見送って、優も帰ろうとした。
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