男の秘密
食事の片付けをしたら帰ろうと思っていた優だが、忍がもう少し居て欲しいと言うので留まった。

『何か緊張するわ』

ソファーに並んで座ると、体が少し触れた。

それだけで心拍数が上がり、顔が赤くなる。

『やっぱり無理だわ』

緊張に耐えられず立ち上がった。

「わ、私、明日も仕事なのでもう帰ります!」

忍の顔も見ないまま勢いよくそう言うと、忍の返事も聞かずに足元にあったカバンを掴んで踵を返した。

「待って。遅いから送ってくよ」

忍も立ち上がってそう言う。

「い、いえ近いし大丈夫です」

「ダメだ。」

帰ろうとする優の手を掴み引き止める。

経験不足で空回りする自分が情けなくて俯いてしまう。

「優。恋人だと思わずに友達か兄弟みたいに思ってくれたらいいから。」

「告白したのは、優を誰かに取られたくなくて焦ってしまったからだ。
子供じみた独占欲だから気にしないでくれ。」

自嘲気味に笑いながら話す忍を見て、更に胸が苦しくなる。

『こんな顔させるつもり無かったのに・・・。』

「ごめんなさい。」

消え入りそうな声でそう言った時、ふわりと抱きしめられていた。

以外にも、ドキドキしなかった事に驚くと同時に、安心出来た。

「気にするな。さぁ送って行こう」

忍が腕を解いて明るい声でそう言い、優を玄関へ促す。

その事に少し寂しく思う自分はなんと我侭だろうと思った。
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