男の秘密
『近すぎてもダメ。遠すぎてもダメなんて、我ままよね』

結局家まで送り届けて貰った。

会社で仕事をしながらそんな事を考えていたが、不意に視線を感じて顔を上げる。

『気のせい?』

誰かに見られている気がしたが、フロア全体を見渡しても誰も見ている様子は無かった。

あれから数日経ったが、電話はかかって来なかった。

ホッとしたのも束の間で、今度は手紙が届いたのだ。

---- 優にあの男は似合わない。優に似合うのは僕だ。いつも見ている----

等、手紙にはワープロソフトで書いた文字で異様な内容がびっしりと書いてあった。

日付と服装が書いてある所は見られていると分かる内容だった。

「会社だから大丈夫よね?」

誰にともなく自分に言い聞かせるように呟く。

手紙の内容を羽奈に言おうか迷っている。

『心配かけるし』

それと、忍にも言えていない。

どちらも心配するからだ。
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