男の秘密
「じゃぁシャワーかお風呂に入って下さい。寝汗で気持ち悪いでしょ。」

そう言って紙バックを忍に渡すので良く分からないまま受け取る。

「サイズとか好みとか良く分からなかったんですが、着替えです。」

驚いて紙バックの中を覗き込むと、タグのついた黒のスウェットの上下と下着が入っていた。

「こんな事までしてくれなくても」

困惑気味に呟いた。

「あ!、私が勝手にやった事なんで、嫌だったら・・」

行き過ぎた行為だと今頃気付き、慌てて言う。

「嫌じゃない。有りがたいけど、どうしてここまでしてくれるの?」

驚いた顔をする。言われるまで何も思っていなかったようだ。

「そう言えばそうですよね。」


女性の一人暮らしの家に、熱で動けないにしても若い男性を招き入れるという事が、世間一般でない事に今頃気づいた様子だ。

「放っておけなくて、連れてきたんですけど、変ですよね。」

少し考えている様子の優を黙って見ていると「寂しかったのかな・・・」とポツリと呟いた。

その言葉に今度は忍が驚いた。

「あ!、お風呂沸かしてきますね」

自分の呟きに驚いて慌てて立ち上がり、リビングを後にした。

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