男の秘密
ガチャリ

部屋のドアを開ける。

『音、大きかったかしら』

そっとドアを開け、滑り込むように室内に入る。

スーパーの袋は思いの外ガサガサと煩い。
隣の部屋に寝ている忍を起こさないようにと、出来るだけ静に袋を下ろし、中身の仕分けをする。
今使うものだけ残して後は片付ける。

『斎賀さん大丈夫かしら・・・』

一息ついたら忍の事が気になりだし、そっと隣の部屋の扉を開けた。


カチャリ


小さな音を立ててドアは開いた。
そっと顔だけ中に入れた優は、忍がこちらを見ていた事に気づく。

「起こしちゃいましたか?」

恐る恐る室内に入る。

「さっき目が覚めた所だ」

そう言って忍はゆっくりと起き上がり、ベッドに腰掛けるように座る。

「具合はどうですか?」
「熱が下がったから、ずいぶん楽になったよ」

薬が効いてきたらしく、買い物に行く前より随分楽そうな様子に、優はホッとした。

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