男の秘密
加藤に心配な顔をされると、つい何もかも話してしまいそうになる自分に慌てた。

「だったら何でそんな辛そうな顔してるんだ」

「ちょっと、悩み事があって・・・。」

「俺には話せない事?」

「え?・・ううん、大した事じゃないから」

『ダメよ。暗い顔してたら更に心配されてしまう』

「ほんとに?」

「えぇ、月末で忙しかったから、やりたい事が中々出来なかったの。それでちょっとストレス?」

笑顔で答える。

忍との事を話せば、上手くいっていようが、いまいが他の人の耳に入るだろう。

ならば、別の話に持っていく方がいいと考え話を逸らす。

「そう言えば、忙しそうだったな。今は大丈夫か?」

「うん。月末も付き始めも一応終わったから。これからは、ゆっくり色々出来るわ」

『楽しそうに振舞えてる?』

笑顔で答えながら、楽しそうな自分を演じられているか気になってドキドキする。

「お待たせ。あら、そっちの定食も美味しそうね」

羽奈が日替わり定食Aを持って席に着きながら、加藤の日替わり定食Bを眺めてそう言った。

「遅かったな。」

「ちょっと立て込んでてね」

ふふふっと楽しそうに笑いながら食べ始める。
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