男の秘密
どうすることも出来ないまま、日にちばかりが過ぎて7月に入った。

出し物の準備は着々と進み、同期会も月1だったのが、二週間に1度になった。

雨は相変わらず良く降り、どんよりとした雲が空を覆い、気持ちまでもがスッキリしない天気が続く。

電車は湿気が多く息苦しいが、会社から3駅の優はまだましだった。

出勤途中で松永に会う事がしばしばあり、彼が同じ沿線だと最近気づいた。

「主任は何処にお住みですか?」

松永が自分の駅より一つ先の駅だと聞いて少しホッとした。

自分の行動が社内に広まれば、また変な手紙が入ってくるのではないかと不安に思ったからだ。

松永との会話にも気を使う。

『羽奈以外にはあまり私生活を話さないようにしないと・・・』

何時も緊張を強いられる生活にストレスを感じずにはいられなかった。




「なんか、幸せオーラが出てないな」

久しぶりの社食で加藤にそう言われ思わず固まってしまった。

「そうかな・・」

「上手くいってないのか?」

「そんな事・・・無いよ」

忍との関係は上手くいっている。

だが、ストーカーという不安要素の所為で、手放しに上手くいっているとは言えない自分が居た。

歯切れの悪い優に、加藤は心配げな表情をしている。
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