男の秘密
7月も中旬に入り、少しずつ晴れの日が増え、そろそろ梅雨明けが近くなった。

来週の日曜日に村田の結婚式を控え、同期での出し物の練習も大詰めを迎えた。

当日の服をどうするのか、未だ決めていない優は少し焦っていた。

羽奈は自前で行くと言っていたし、他の子は借りたり買ったり色々らしい。

一緒に頼んでおけば良かったと後悔しても遅い。

部屋であれこれ悩んでいた時、忍から連絡があった。

何時もの様に他愛無い話をしていたが、いつの間にか二次会の話になっていた。

「え?まだ決まって無いのか」

「うん。どうしようか悩んでる間に色々あったでしょ。それで・・すっかり忘れてて」

「じゃぁ、俺が選んでもいい?」

「え!?」

「ダメ?」

甘い声が耳を擽り、恥ずかしいのに忍の願いを聞きそうになる。

「え・・と・・」

「ダメ?」

止めの声は更に艶やかで背筋がゾクリとするような声だった。

「ダメ・・じゃないです」

『この声に勝てる気がしないわ』

「良かった!じゃぁ・・今度うちに来てくれる時に」

無邪気にはしゃぐ忍の言葉に驚く。

「え! 明日ですか?! ちょっと心の準備が」


「でも、時間が無いだろ?」

「それは・・・」

「明日決まるか分からないし、早い方がいいだろ」

「・・うん。分かったわ」

押し切られる形で明日に決まってしまった。
< 151 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop