男の秘密
「安達さん・・」

「やだ忍君本気?・・うん。分かった。待ってる」

何を飲むのか聞こうと近づくと安達の弾んだ声が聞こえて来た。

『何か・・嫌だな』

自分以外の人と楽しそうに話している忍を想像すると、胸が痛んだ。

結局声がかけられないまま、キッチンに戻り、仕方なくコーヒーの準備をしていた。

「あら。コーヒー入れてくれるの? ありがとう!」

電話が終わり、コーヒーの香りにつられた安達がやってきた。

「はい。コーヒーで良かったですか?」

「コーヒーが良いわ。ちょっと後片付けしてくるから手伝えなくてゴメンネ」

可愛らしく笑って試着の後片付けに行った。



コーヒーを持っていくと、丁度片付け終わった安達が受け取る。

「忍さんどれに決めたんですか?」

「それがね、何か迷ってるみたいで・・・」

何故か困ったように笑っている。

『どうしたのだろう』

そんな事を思っていたが、そこで会話が終わって、聞くタイミングを逃した。
< 156 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop