男の秘密
ホッとして、話を進める。

「おかゆとか、雑炊とか、スープとか・・・」

優が候補を出していく。

どれも胃にやさしそうなもので、食べやすそうなものだった。

「じゃぁ雑炊でもいい?」

「はい。雑炊ですね。わかりました」

慌てるように部屋を出ようとして立ち止まる。

「あ! その前に値札・・・。切っておかないと」

窓際にある棚まで行って、ペン立てから鋏を取って戻って来た。
紙袋の中の服の値札や商品タグを切っていく。

その真剣さに忍の口元には苦笑浮かんでいた。

「どうして笑ってるんです?」

タグを切った服を渡しながら、不思議そうな顔をして忍を見上げる優は、子犬のように可愛い。

「いや何でもない。服ありがとう。遠慮なく使わせて貰うよ」

仕事用の極上の笑顔を優に向けながら礼をいう。

「!?」

男性に免疫の無い優は忍の笑顔に驚いて顔が真っ赤になる。

『子供じゃないのに、何動揺してるの!』

その様子に満足気な笑みをした忍。
値札を切って貰った服を持って立ち上がる。
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