男の秘密
考えを逸らそうとする度に、結局昨夜に戻るを繰り返し、かなり疲労した頃、忍が部屋に戻って来た。

「優?大丈夫か?」

ベッドの向こうに少しだけ頭が見えるが、様子が分からず心配そうに駆け寄ってきた。

「あ、うん。大丈夫・・。」

まともに忍の顔が見られなくて、俯きながら答えてしまう。

「シャワー浴びれる?」

「うん。」

返事をして立ち上がろうとしたが、体に力が入らずフラフラとしてしまい、忍に抱きとめられた。

「昨日風呂に入ったから、シャワーは止めておこう。」

「お風呂に入った?忍さんが?」

「あ、いや、汗かいたし、気持ち悪いだろうから、勝手に風呂に入れたんだ」

気まずくなって、顔を逸らしながら忍が答えていたが、内容を聞いているうちに優も心臓が止まるほど驚いた。

「悪かった」

固まっている優に、ボソリと忍が呟き、その言葉でわれにかえった。

『忍さんも今の状況に困ってるのよね。』

「お風呂に入れてくれてありがとう。あ、ふ、服着替えなきゃ・・・って着替えが無かった」

平成を装うとして更に墓穴を掘った事に気付き、困ってしまう。
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