男の秘密
室内が大部屋より広く、病院らしくない木目調の落ち着いたベッドはホテルのようだった。

『ホテルみたい』

床は落ち着いた色の絨毯が敷かれ、ベッドの正面に大きなテレビが備え付けてある。

別室にはもしかするとシャワーや風呂も着いているのかもしれない。

忍の座っていた椅子も、お洒落な椅子だった。

『ここってもしかして、VIP用とか?・・・まさかね』

自分の考えに苦笑してしまったが、本当にここが病院なのか疑問に思えてきた。

『実はホテルに泊まってるの?』

キョロキョロと室内を見渡すが、どちらなのか分からない。

『どうして私、こんな凄い部屋に居るのかしら』

一日で退院するといっても、こんな豪華な部屋なら料金も高いに違いない。

今から部屋を替わって料金が安くなるのだろうか?そんな事まで考えていたら、忍が戻って来た。

「売店が閉まってて、こんなのしかなくて」

そう言って手に持ったココアのいい香りがする紙コップを優に手渡す。

「ありがとう」

ココアを一口飲むと、今まで気を張っていたようで、急に疲れが襲ってきた。

『あぁ、やっと終わったんだ』

コップの中のココアを眺めながら、ホッと一息をついた。

その後、二人で久しぶりにゆっくり話すひと時を楽しんだ。
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